世界的知名度を誇る自動車メーカーのイメージが強い愛知県豊田市は、自然薯の生産、出荷量の豊富な地域でもあります。農業が盛んな日本では各地で自然薯の生産が行われていますが、地域によって特徴は様々です。豊田市の自然薯が名産品に位置付けられているのは、大きさや栄養など他とは異なる魅力が多いことが理由に挙げられます。
豊田市の自然薯の特徴
日本原産の山芋の自然薯は、全体がくねくねと曲がった細長い形状が一般的です。豊田市で生産される自然薯は一本一本が標準より太く、真っすぐに伸びた形をしています。自然薯は太くなるほど味が落ちると敬遠されがちですが、地域ブランドの夢とろろは通常より太いサイズでも品質の劣化が起こりません。太さや形以外の特徴として挙げられるのが長さです。長さの平均が60cmから1mとされているのに対して、豊田市では1mを超えて育つ物も少なくありません。
愛知県豊田市は、一年を通して気温による大きな変化が少なく、栽培に適した環境が整っていることが品質の高さに繋がっていると言われています。地中にパイプを埋め込むことで形が整えられた真っすぐな自然薯は、見た目の良さはもちろん、自宅で料理がしやすいのが魅力です。出荷量も増加傾向にあって、全国トップのシェアを持つ北海道や東北地方に迫る勢いを見せています。
自宅でできる手軽な調理方法
豊田市の自然薯ブランドの夢ととろは、様々な食べ方で楽しめるのも魅力に挙げられます。素材の味をそのまま楽しみたいという場合に最適となるのがとろろ料理です。長芋と違って、自然薯は皮も一緒に食べるのが一般的と言われています。タワシなどを使って表面に付着した土を軽く落として、乾いた布で水分をしっかりと取るのが調理前の下準備です。
自然薯のすり下ろし作業は専用のすり鉢を使うのが基本となりますが、自宅にない場合は大根おろし器などで代用しても問題ありません。すり鉢を使う時は先端部分を持って円を描くように動かし、大根おろし器では力を入れ過ぎないようにするのが風味を落とさないコツです。夢とろろは素材に風味や味がしっかりと付いているので、調味料を加えなくても美味しく食べられます。とろろ以外では、輪切りや短冊切りにして和え物にしたり、乱切りで天ぷら料理にする地元民も少なくありません。お菓子が好きな人は九州地方の特産品「かるかん」の材料として使うこともできます。
失敗しない自然薯の選び方
お店で自然薯を購入する場合の、見極めポイントの一つが育成方法です。自然薯は大きく分けて天然と栽培の2つの育て方に別れています。天然物は自然ならではのアクの強さと独特の風味が特徴です。くねくねと曲がっていたり、とぐろを巻いている物もあるなど、形が不揃いで調理に若干の手間が掛かる反面、栽培にはない食感を楽しめます。栽培は専用のパイプを使うことで形が均一でアクが少なく、子供から大人まで抵抗なく食べられるのが魅力です。基本料理のとろろにする場合、天然と栽培のどちらを選んでも風味や食感に大きな違いはありません。短冊や輪切りで和え物料理にするのであれば、栽培よりアクと風味が強い天然物の自然薯の方が適しています。
「山のうなぎ」と称される自然薯は栄養価も高く天然ものと栽培ものがあったりとうなぎとの共通点も多いので是非当店で両方の料理を召し上がってください。
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