炭火で香ばしく、甘辛いたれの味で、外はカリッと、中はフワッと・・・!暑い日には特に食べたくなる「うなぎ」ですが、近年では、一部の輸入品を除いて国産うなぎの値段はまさに「うなぎのぼり」です。そんな時だから、密かに注目されているアナゴについてお伝えします。
「実はウナギよりアナゴの方が種類が多い!」
ウナギはウナギ目ウナギ科、アナゴはウナギ目アナゴ科。分類上かなり近い魚種です。
ウナギは世界的に見て19種類が確認されており、そのうち食用とされているのは4種類です。対するアナゴは食用・観賞用あわせて、なんと150種類以上というから驚きです。ちなみに日本人が口にする食用アナゴは、主にマアナゴという種類です。
ウナギもアナゴも深海で生まれて日本近海までやってきます。そこからウナギは産卵をひかえた雌だけが川を上ってきますが、アナゴは一生を海で終わります。こうした生態からも、川で採れる天然ウナギがいかに貴重か分かると思います。
見た目の違いをあげると、ウナギは下あごが出ていてアナゴは上あごが出ています。またアナゴは体の側面に斑点があるくらいのもので、色で明確に判断するのは難しいです。
栄養価は断然ウナギの方に軍配が上がります。スタミナ源になるビタミンAはアナゴの5倍近く、さらに脂質も約2倍。当然カロリーもうなぎの方が高く、その他各種栄養素もうなぎの勝利です。
値段が段違いなのはなぜか?
ウナギもアナゴも生まれる場所は赤道に近い深海です。その為、養殖がとても難しく、天然ものに頼らざるを得ません。特にウナギは、稚魚の漁獲量が近年になって激減しています。その為、国際自然保護連合の絶滅危惧種に指定されています。
また、アナゴはどうなのかというと、こちらも実は近年、漁獲量が激減しており、過去22年間のデータで換算すると74%減というとんでもない数字になります。ところが日本ではウナギほどの需要がないので、安く入手できるのです。
かば焼き1人前で比較してみると、ウナギは1,000円~3,000円程度。対するアナゴは500円~1,000円程度です。輸入物に関してもアナゴの方が安いです。栄養価などの違いはあっても、どちらも品薄ですが、人気があるかないかで、大きく値段に差が出ることに改めて驚きました。
もっとも気になる味の差もおおきいのか?
ウナギとアナゴの料理方法を考えれば、味の差は一目瞭然です。ウナギはうな丼やかば焼きなど、調理法が多いです。逆に油っぽい天ぷらなどには、あまりしたことがありません。対するアナゴは淡白な味を活かして、天ぷらや甘い煮切り醤油などで食すことが多いと思います。
また、脂質がアナゴの2倍もあるウナギの場合、そのコッテリした味わいを活かした料理が合います。そしてアナゴはあっさりしているので、てんぷらなど、油っぽい料理が合います。
貴重な「うなぎ」を使用する当店では、当たり前ですが、素材の良さを活かし、お客様に楽しくお食事を楽しんで頂けるよう常に努力して参ります。