コストなどの壁、打開策求め模索中!
近畿大水産研究所(和歌山県白浜町)が、絶滅危惧種に指定されている二ホンウナギの完全養殖に成功しました。完全養殖は2010年に水産研究・教育機構が世界で初めて成功していますが、大学としては初めての成功です。ウナギは漁獲量が年々減少しています。完全養殖が実用化できれば持続的供給が可能となり、資源保護にもつながると期待されています。しかし、コスト面などの壁は高く、完全養殖ウナギが私たちの食卓に並ぶには、まだまだ課題が多そうです。
遠いゴール・・・。
政府は2050年までに天然の稚魚から全て人工的に受精させて生産した稚魚に切り替える目標を掲げており、水産庁は水産研究・教育機構と共同で大量生産の実証実験を行っています。
コストを下げようと、より大きな水槽や自動給餌システムの開発を進めるほか、飼育に手間がかかる仔魚の期間が短くなる品種改良などに取り組んでいます。しかし、今も試行錯誤の繰り返しで、まだまだゴールは遠そうです。
水産省の担当者は近大の完全養殖成功について「国の機関だけでなく、大学や企業が完全養殖に取り組んでくれると裾野が広がり、技術の進歩も期待できる」と歓迎しています。
近大の田中教授は「完全養殖と言うと、今より安くなるのかと聞かれるが、しばらくは天然のシラスウナギより安くするのは到底無理。今は安さより絶滅させることなく持続的に供給できる技術を培うことに完全養殖の意義があると思う」と語ります。
昔から、日本人が好んで食べてきた「ウナギ」だけに大きく期待してしまいますが、いち消費者として理解だけはしておきたいと思うと共に、より良い商品をご提供できる様、努めて参ります。
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