
日本では美味しいうなぎは贅沢品であり、同時に特別な日を印象付けてくれる最高の食べ物です。そんなうなぎを食べるときのマナーを知っている人は案外少なく、実は知らずにマナー違反をしている可能性もあります。せっかく美味しいうなぎを食べるのなら、しっかりとマナーを守ってさらに美味しくいただきたいものです。そこで、知って損をすることはない、うなぎを食べるときのマナーを紹介しましょう。
うな重とうな丼の違いってなに?
土用の丑の日やお祝いの日にはうなぎを食べることが多く、「うなぎを食べるのは特別な日」という雰囲気があります。そんな特別な日に食べるものだからこそ、うなぎはマナーを守って美味しく食べたいものです。うな重とうな丼のどちらかを丑の日に食べるという人が多いですが、その違いを知っているでしょうか。その違いはなんと、「器」だといいます。陶器の鉢にご飯を入れてうなぎを乗せたらいつの間にかうなぎが蒸されていたことが始まりだと言われる「うな丼」、同じ材料でも重箱に入っていることからイメージ的に高級なものという印象を持たれたのが「うな重」です。扱う材料は同じでも器によって呼び名が変わるのです。家庭で気軽に食べやすいのがうな丼、高級なお店などで重箱で食べるものがうな重と考えると、覚えやすいかもしれません。
うな重のランクと正しい食べ方!重箱の蓋を開けるときにもマナーがある
うなぎ屋に行くと、特上や松竹梅でランクを分けていることがあります。これはご飯の上に乗っているうなぎの数によって変えており、実際に乗っているうなぎの品質は同じだといいます。そんなうな重ですが、重箱の蓋を開けるときからマナーがあることを知っていますか。お店に行ってうな重を頼むと、「うな重・お吸い物・漬け物」の3つがセットになって提供されることがほとんどです。まずは重箱の蓋を開けて、次にお吸い物の蓋を開けます。このとき、左に置かれている器なら蓋も左に、右に器が置かれているなら蓋も右に置くのがマナーです。二つも蓋があって邪魔だからと、重ねて置くようなことをしてはいけません。蓋は裏返して置き、水滴などが落ちないようにしましょう。
お吸い物に口をつけるときにもマナーがある!美味しく正しく食べるための方法
うなぎ屋ではうな重とお吸い物、漬け物をそれぞれ決められた場所に置くようになっています。はじめはお吸い物からいただくことがほとんどですが、お吸い物のお椀は片手ではなく両手で持ち上げます。左手でお椀の底を支え、親指はお椀の縁を持つような感じです。右手はお椀に支えるような感じで持つと見た目にも美しく、安定してお吸い物を口にすることが出来ます。お箸を持つときは、右手をそっとお椀から放してお箸を正しく持ち、お吸い物の具はお箸で持ち上げて口にしましょう。汁を飲むときはズルズルと音を立てたりしないように気をつけます。お椀を置くときは先にお箸を置き、両手でお椀を持って静かに置きます。具を口に入れた状態で汁を飲むのは、うなぎを食べるときだけではなくお吸い物を飲むときのマナーとして良くありません。
うな重を食べるときは、重箱の左下からうなぎとご飯がセットになるように、一緒に持ち上げて口にします。うなぎを食べるときには左から右に向かって食べる、と覚えておくといいです。重箱の半分ほどまで食べたら、180度回転させて左下から食べるとご飯やうなぎを崩さずに美味しく食べることが出来るということです。うなぎが美味しいからといって、重箱に口をつけてがつがつ食べるようなことはマナー以前にみっともないし、恥ずかしいのでやめておきましょう。重箱は持ち上げても、そのまま置いた状態で食べても良いといいます。ただし、食べ終わったらうな重もお吸い物も、蓋をしめて元通りにしておくのがマナーです。
美味しいうなぎを味わうためにもマナーは守ろう!
うなぎを美味しく食べるためにも、うな重もうな丼もマナーを守って食べることが大切です。マナーを知っておけば、お店で恥ずかしい思いをする必要がありません。それに、美味しいうなぎをしっかりと味わうことも出来ます。山椒をかけるときにはうなぎをご飯からよけ、ご飯の上に均等になるようにかけ、うなぎを戻して食べるのがマナーです。美味しいうなぎを山椒のぴりりとした風味と一緒に味わうためにも、マナーを守りましょう。