うなぎに関する様々な豆知識

日本人にとって親しみがあるうなぎですが、あくまでも蒲焼きやひつまぶしなど、料理としてしか知らないという人は多いのではないでしょうか。古くから日本で親しまれてきたうなぎという魚には、様々な秘密があります。その秘密を、豆知識として知っておくと良いでしょう。では、うなぎにはどういった秘密があるのか、代表的なものを3つ紹介していきます。

うなぎの血液には毒があります

大勢の人に美味しく食されているうなぎですが、実はその血液には、イクチオヘモトキシンという毒が含まれています。そのため、うなぎの血液を飲んでしまった場合、下痢や嘔吐などの症状が表れます。さらに、最悪の場合は死に至る恐れもあります。しかし、うなぎの血を飲む機会はまずないでしょう。その上、1リットル近く飲まない限り、命の危険はありません。また、うなぎの体内に残っている血液も、5分ほど熱が加えられると完全に無毒化します。したがって、蒲焼きや茶碗蒸しにして食べる分には、全く問題はありません。

ただ、症状は軽くても、血を生で口に含んでしまうと、体調が悪くなる恐れがあります。そのため、過熱をしないうなぎの刺身が一般的に食されることはありません。お寿司に乗るうなぎも、必ず火が通されています。けれど、イクチオヘモトキシンはうなぎの血液にしか含まれないので、特殊な方法で血抜きをしたうなぎの刺身は、一応は存在します。

謎が多いうなぎの産卵場所

うなぎは、日本で産卵して、日本で生まれるというイメージを持っている人は多いのではないでしょうか。しかし、うなぎは実は、外の海から日本へとやって来ます。日本から南に2000km離れた、太平洋のマリアナ諸島周辺の海で産卵し、稚魚が海流に乗って来るということが判明しています。マリアナ諸島周辺で卵から孵化したうなぎの赤ちゃんは、レプトセファルスと呼ばれ、海流に乗りながらプランクトンを食べ、シラスウナギへと成長します。そのシラスウナギが大きくなって日本の川にやってきたものが、天然のうなぎです。

判明しているのは、そこまでで、成長したうなぎがどのようにして、産卵場所であるマリアナ諸島周辺に行くのかは明らかになっていません。そもそも産卵場所を突き止めること自体が難しく、日本が研究チームを組んで、2009年にやっと判明しました。一般家庭で親しまれているうなぎですが、このようにまだまだ謎が多い魚です。

うなぎの完全養殖はとても難しいです

うなぎといえば、養殖のものが数多く市販されています。ただ、その養殖のうなぎは基本的に、卵から孵化させた完全養殖ではありません。海流に乗って日本近くにやって来たシラスウナギを捕獲して、それを川に放流している形です。なぜ卵から孵化させる養殖ができないのかというと、日本で獲れるうなぎは、実は産卵できる状態ではないからです。うなぎは、産卵場所であるマリアナ諸島周辺に行くまでにさらに成長して、産卵できるようになると考えられています。そのため、うなぎの卵を確保すること自体が難しいわけです。

日本では、実験によってうなぎを成長させ、人工孵化させることには成功しています。ただ、その方法ではコストがかかりすぎるので、実用化には至っていません。コストのことを考えると、シラスウナギを捕獲した方が現実的であるため、市販されているうなぎは完全養殖ではないわけです。

あまり知られていないうなぎの豆知識

うなぎは、実は知られていないことが数多くある魚です。紹介してきた豆知識の中に、初耳のものがあったという人もいるのではないでしょうか。毒に関しては、うなぎを一般家庭で調理することがあまりないので、知らなくてもおかしくはありません。また、うなぎの産卵場所や完全養殖については、調べようと思わない限り知ることはないでしょう。そのため、知らない人が多いと思うので、身近な人に教えてあげると良いでしょう。