丼に入った「うな丼」と重箱に入った「うな重」。器意外に一体どんな違いがあるのか、ご存じですか?
調べてみると、驚くほどシンプルな"差”であることが分かりました。
今回は、その”差”が生まれた背景と共にご紹介します。
うな重はうな丼に比べてうなぎが…
「うな丼」と「うな重」の違いは、ズバリうなぎの量。
ある調査機関が調査したうなぎ屋さんでは、うな重はうな丼よりもウナギの量が1.5倍ほどあり、値段もうな重の方がうな丼より高く設定されていました。
うなぎの「質」が違うのでは?
…と思っていた方もいるかも知れませんが、違うのは量のみ。
でも量が違うだけだけなら、牛丼のように同じ丼で「並盛り」「特盛り」としても良いのに、なぜ丼と重箱という異なる器を使っているのでしょうか?
その理由を知るために、うなぎ屋さんの歴史を辿っていきます。
大流行!江戸時代には800軒もうなぎ屋さんがあった
濃口醤油が普及した江戸時代後期、醤油ダレにつけた「うなぎの蒲焼」が誕生。
ほどなく、味が濃い蒲焼と白飯の相性は抜群ということで「うな丼」が誕生しました。
当時は、江戸の町になんと800軒のうなぎ屋さんがあり、番付表(今でいう食べログ)まであったと言われています。美味しいお食事処の番付をしたくなるのは、現代と同じです。
「うな重」が生まれた背景
「うな丼」はその名の通り、"丼”を使って店内で提供されていました。
一方、「うな重」が誕生したのは明治時代。
温かいまま「出前」でお客さんへ届けられるように"重箱”を使ったのがきっかけです。
うなぎの上下をお湯で挟むことで、出前で届けてもホカホカのまま食べられるように開発しました。
その後、うな重は見た目にも「高級感がある」と話題となったため、うなぎ屋さんはいつしか「お店の中」でも、うな重を提供したいと考え始めました。
ただ、丼よりも大きい重箱に、うな丼と"同じ量”のうなぎを入れると、見た目がスカスカで、なんだか寂しい印象になってしまいます…。
そこで、うなぎを増量し、値段も高く設定した「うな重」が誕生した、ということなのです。
今では、うなぎの量だけが違う、うな丼とうな重。
お店で食べる場合には、お腹のすき具合に合わせて選んでください。
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