土用の丑の日とは？なぜうなぎを食べるの？栄養価についても解説

「土用の丑の日」と言えばうなぎを食べる日というイメージがありますね。そもそも「土用の丑の日」とは何でしょうか？なんとなく夏のイメージがありますが、実は「土用の丑の日」は一年に四回あります。そしてなぜ「土用の丑の日」にうなぎを食べる習慣が広まったのでしょうか？うなぎの栄養価についてもあわせてご紹介します。

うなぎを食べることで有名な土用の丑の日って何？

「土用の丑の日」を知っていますか？なんとなく、「うなぎを食べる日」というイメージを持っている人が多いと思いますが、そもそも「土用の丑の日」とは何でしょうか？まず、「土用の丑の日」の「土用」とは、日本独自の暦「雑節（ざっせつ）」の一つです。雑節は、旧暦では日本の気候と合わない部分があるためそれを補うために設けられました。一年を二十四に分けて季節を表し、より日本に適した季節の移り変わりを掴むためのものです。雑節には、節分、彼岸、社日、八十八夜、入梅、半夏生、土用、二百十日、二百二十日の九つがあります。土用とは、立春、立夏、立秋、立冬の直前の18日間のことを言います。

「土用の丑の日」の「丑（うし）」とは、十二支の丑のことです。十二支には「子 ・ 丑 ・ 寅 ・ 卯 ・ 辰 ・ 巳 ・ 午 ・ 未 ・ 申 ・ 酉 ・ 戌 ・ 亥 」の十二種類があり、昔の日本では、日付に十二支を当てはめる習慣がありました。今でも十二支入りのカレンダーは売られていまして、例えば「戌の日」は安産祈願に良いとされるなど、ゲン担ぎの参考にされています。「丑の日」は12日に一度巡ってきます。前述の通り土用期間は一年に四回、18日ずつあり、この土用期間中の丑の日が「土用の丑の日」というわけです。

土用の丑の日になぜうなぎを食べるのか？

夏にうなぎを食べる習慣は古くからあったそうで、万葉集（奈良時代後期）には「うなぎ」についての和歌もあります。「石麻呂にわれ物申す夏痩に良しといふ物そ鰻取り食せ」という大伴家持の歌で、「石麻呂に申し上げます。夏痩せに良いといううなぎを召し上がってください」という意味です。古来からうなぎは栄養価が高く、夏痩せに効くという認識だったようです。

現代でも、うなぎは滋養強壮効果の高い食べ物であるとされ、「夏バテに良い」や「うなぎの蒲焼きの良い香りは、夏の食欲不振を取っ払う」などと言われています。また、夏の土用の丑の日は「う」が付く食べ物を食べるのが良いとされているため、まさにうなぎは「土用の丑の日」にぴったりの食べ物というわけで、夏の「土用の丑の日」にうなぎを食べる習慣が定着したという説があります。また、その他の季節についても、土用期間は季節の変わり目であるため、「気温差が激しく体が疲れて風邪などをひきやすい季節の変わり目に、栄養価の高いうなぎを食べるのが良い」ということから「土用の丑の日」にうなぎを食べる習慣が広がったという説もあります。

土用の丑の日に食べたいうなぎの栄養価

土用の丑の日には栄養価の高いうなぎを食べたいと考える人が多いと思いますが、実際うなぎにはどのような栄養が含まれているのでしょうか？まず、うなぎと言えば、ビタミンA群が豊富に含まれていることで有名です。ビタミンA群は皮膚や目、鼻、内臓などの粘膜を健康に保つ効果があります。うなぎにはコラーゲンも含まれているため、美肌効果が期待できます。そして、疲労回復効果などがあるとされるビタミンB群も豊富に含まれています。また、近年注目されているDHA、EHAといった不飽和脂肪酸も豊富です。DHAやEHAは、コレステロール値を下げたり、抗がん作用、抗アレルギー作用があり、これらの栄養素は身体からつくることができないので、食べ物から摂取することが大事であると言われています。さらに歯や骨をつくるカルシウムも含まれています。

土用の丑の日にうなぎを食べて、季節の変わり目も元気に過ごそう！

土用の丑の日についてや、土用の丑の日になぜうなぎを食べるのか？についてみてきました。日本では古来から「土用の丑の日」に限らず、夏にうなぎを食べることが多かったようです。やはりうなぎの栄養価は、暑い夏を乗り切るために良いのでしょう。また、うなぎの旬は秋から冬にかけてです。寒くなり始めて体調不良が心配なときには、一年で一番おいしいうなぎを味わうのも良いですね！